群馬県桐生市のB級グルメ「コロリンシュウマイ」は、見た目には玉コンニャク、食感は、北海道のイモもちにも似たもっちりとした不思議な食べ物。シュウマイなのに皮に包まれていません。
コロリンシュウマイは、男爵いも、玉ねぎ、でんぷんに豚脂を加え、練り上げムしたもの。醤油ダレと青のりをかけていただきます。
実は、「コロリンシュウマイ」は、桐生市ご当地グルメである前述の製法によるシュウマイの総称ではなく、特定のお店で製造販売している固有名詞であるようです。
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桐生市相生町の店「コロリンシュウマイ」
一般名ではなく固有名詞だった
「コロリンシュウマイ」は、桐生市民にとってソウルフードといっても良い存在ですが、正確には「コロリンシュウマイ」は一般名ではなく特定の商品名。
「コロリンシュウマイ」は。桐生市相生町5の「コロリンシュウマイ」というお店が提供している商品で、桐生市内とその周辺に存在する類似のシュウマイとは正確に言うと区別されているそうです。
「コロリンシュウマイ」という名称は、このお店の先代の店主が店を始めるにあたって考案したものなのだそうです。
■コロリンシュウマイ
住所 群馬県桐生市相生町5-204-23
公式サイト
桐生の名物という謎の食べ物、コロリンシュウマイを食べてきた。シュウマイと名乗ってはいるが、我々の知るシュウマイ要素は皆無。ブリュブリュなデンプン質の食感に玉ねぎの甘み旨みが口に広がるなんとも表現しづらい食べ物。これは一体何なのか?シュウマイなのか?その答えは結局見つかっていない。 pic.twitter.com/KlHPZNTJ6q
— えぬびー (@enuenuenubi) 2018年8月25日
「コロリンシュウマイ」の起源・歴史を探る
先述のように、「コロリンシュウマイ」は、群馬県桐生市の「コロリンシュウマイ」という店名の店舗において、創業者(先代)がシュウマイ主体の店を始めるにあたって「コロリンシュウマイ」と命名したとのこと。
【ラーメン人情報】群馬 桐生のB級グルメ「 コロリンシューマイ」https://t.co/oHAYqwJxJD pic.twitter.com/OzurHsybbS
— らーめん人 (@Ramenjin21) 2019年1月19日
「シュウマイでお店を始めよう」という動機があったとすると、桐生市独特のシュウマイの形は以前から存在していたのでしょうか。
起源は「大澤シューマイ店」か
それをひも解くカギとなるのが「大澤シューマイ店」(群馬県桐生市新宿2-9-11)の存在。
ここで出されているシュウマイは、「コロリンシュウマイ」とそっくりですが、メニュー名としては、ただの「シュウマイ」なんだとか。
つまり、「コロリンシュウマイ」は、後から付けられた名称であり、肉が入っておらず皮で包まれてもいない独特のシュウマイの形は、もともと桐生市内に存在していたのです。
しかし、これ以上の由来をたどることはできませんでした。
他の地域における類似のシュウマイ
足利市の「からこりシュウマイ」
一方で、同じく肉の入らないシュウマイが語り継がれている地域がありました。それは栃木県足利市。ここには、「からりこシュウマイ」と呼ばれる肉の無いシュウマイががあります。
足利名物「からりこシュウマイ」は、片栗粉と玉ねぎで作った肉の入っていないシュウマイ。甘めのソースをかけて食べるそう。桐生市の「コロリンシュウマイ」と違って、男爵イモ(ジャガイモ)は入っていません。
コロコロシュウマイと違って、小麦粉の皮で包んでアリ、外見は普通のシュウマイ。
このシュウマイの発祥については、某サイトで、「ラーメン屋台で簡単に調理して出せるシュウマイとして肉無しシュウマイが普及したのでは」と説明しています。
足利の「からりこシュウマイ」。桐生の「コロリンシュウマイ」にそっくり! pic.twitter.com/jUIJDUt3Ec
— アライワサキ (@araiwasaki) 2017年10月8日
このように、足利市では、“肉無しシュウマイ”に一定の理由がありました。桐生市のシュウマイについても、何等かの事情があって皮を省略したりするうちに、独自のスタイルになったのでしょう。
読者の中で、有力な情報をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ情報提供いただきたく思います。
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